【物流業向け】成長加速化補助金の採択事例と活用法

物流業は、倉庫自動化(マテハン)、配送・倉庫管理システム(TMS/WMS)の導入、物流拠点の新設・統廃合など、変革のために巨額の設備投資を必要します。 

成長加速化補助金を物流業が活用することは、倉庫の自動化やDX化といった物流業の課題解決に必要な投資は、まさにこの「大胆な投資」に合致し、大変有用だと言えます。 

さらに、投資による生産性向上を「賃上げ」に結びつけることが成長加速化補助金の要件(公募要領参照)となっています。 

人手不足が深刻な物流業において、設備投資と待遇改善を同時に実現し、持続可能な経営基盤を構築する(=100億円企業を目指す)というストーリーは、審査員に最も響くシナリオの一つと言えるでしょう。 

物流業での採択事例

今回公開された「100億宣言企業一覧」には、「H_運輸業・郵便業」に分類される企業が多数含まれています。これは、多くの物流企業が本補助金の活用を視野に、大胆な成長投資を計画している証左です。 

これらの宣言企業情報から、プロの視点で採択の蓋然性が高い「勝てる」投資計画のパターンを分析します。 

事例1:【道路貨物運送業】2024年問題対策とDX化による広域展開

宣言企業例

・A社(売上高 約95億円 / 2025年目標) 
・B社(売上高 約78億円 / 2028年目標) 
・C社(売上高 約48億円 / 2031年目標) 

コンサル視点

売上100億円達成が目前に迫る企業(岡田商運など)も、中堅から一気に拡大を目指す企業(L物流など)も、共通の課題は「ドライバー不足」と「運行非効率」です。 

想定される投資計画

「2024年問題」を克服し、売上100億円を達成するため、AI・DX技術による抜本的な業務改革を計画します。 

投資内容

AI配車システム(TMS)の導入、全車両への動態管理デバイスの搭載、荷主・倉庫と連携するバース予約システムの構築。 

ポイント

単なる車両購入(対象外)ではなく、「物流DX」への大規模投資である点が重要です。AI配車による積載率向上と、バース予約による待機時間削減(ドライバーの労働時間短縮)を数値で示し、「生産性向上」と「賃上げ」の好循環を明確に打ち出すことが採択の鍵となります。 

事例2:【倉庫業】自動化・省人化と高付加価値化(EC・低温物流)

宣言企業(例)

・D社(売上高 約80億円 / 2030年目標) 
・E社(売上高 約60億円 / 2029年目標) 
・F社(売上高 約60億円 / 2031年目標) 

コンサル視点

倉庫業は「人」によるピッキングや仕分け作業がボトルネックとなりがちです。EC市場の拡大に伴い、「小口・多頻度・即日」の出荷体制と、食品・医薬品分野での「コールドチェーン」対応が新たな収益源となります。

想定される投資計画

人手不足の解消と、高単価なEC・低温物流ニーズの取り込みを目指し、既存倉庫の「次世代型物流センター」への大規模改修・増設を計画します。

投資内容

自動倉庫システム(AS/RS)、AI画像認識ピッキングロボット、AGV(無人搬送車)、冷凍・冷蔵設備の導入、高度倉庫管理システム(WMS)の刷新。

ポイント

「自動化による省人化」と「高付加価値化(EC・低温対応)」を同時に実現する計画です。これにより、従来の人員体制のまま処理能力を3倍にし、収益性の高い新規顧客を開拓する、という具体的な「100億円への道筋」を様式1(投資計画書)で示すことができます。 

(参照:100億企業成長ポータル) 

物流業における補助事業の特徴

本補助金で対象となる物流業の投資は、主に以下の4つに分類されます。 

倉庫の自動化・省力化による効率化 

例:自動倉庫システム、マテハン機器、ロボットソーター、パレタイザー 

配送管理システム・DX導入による作業改善

例:AI配車TMS、WMS、動態管理、バース予約システム

新物流サービスや高付加価値化プロジェクト

例:コールドチェーン、医薬品(GDP対応)、EC特化物流センターの立ち上げ

地域連携・共同配送

例:地域の複数企業が連携し、共同配送センターやシステムを構築 ※コンソーシアム形式 

補助金専門家や補助金コンサル活用のメリット

本補助金は、補助額が最大5億円と大きい反面、申請書類(様式1・2)の要求レベルも極めて高いのが特徴です。 

「売上高100億円への道筋」の策定

様式1(投資計画書)は、現状の売上から、今回の投資でいかにして売上100億円を達成するのか、その蓋然性(実現可能性)を40ページ以内でロジカルに説明する資料です。 

専門家は、市場分析、競合優位性、具体的な数値計画(PL・CF)を盛り込み、審査員を納得させるストーリー構築を支援します 

審査ポイントを抑えた「勝てる」計画書作成

審査項目(経営力、波及効果、実現可能性)で確実に加点されるためには、金融機関のコミットメント(確認書)や、具体的な人員配置計画、賃上げ計画の表明など、多くの「勘所」があります。 

これらのポイントを網羅し、L物流株式会社のサンプルのような質の高い計画書を作成します。 

膨大な事務作業のアウトソース

GビズIDの取得、jGrants(電子申請システム)の入力、採択後の交付申請や実績報告まで、煩雑な手続きは多岐にわたります。 

これらの手続きの方法などにおいて専門家のサポートを受けることで、経営者ご自身は「投資計画の実行」という本来の業務に集中できます。 

まとめ|物流業が成長加速化補助金を最大活用するには

物流業は、今まさに「自動化・DX化」という大胆な投資によって、生産性を飛躍的に高められる岐路に立っています。 
 

成長加速化補助金を物流業で活用することは、その変革を実現するために用意された最強の武器です。 

「2024年問題」を“危機”ではなく“変革の好機”と捉え、売上高100億円企業への道を歩むため、本補助金の活用をご検討ください。 

採択の鍵は、「自社の課題解決」と「地域・業界への波及効果」を両立させた、蓋然性の高い投資計画を策定することです。ぜひ専門家の知見も活用し、このビッグチャンスを掴んでください! 

補助金活用お役立ちレポート無料ダウンロード