省力化補助金・採択事例から見る活用のヒント

省力化投資補助金(一般型)の4次公募が、【2025年11月27日(木)締切】で公募中です。
すでに1次公募と2次公募の採択結果が出ていますが、当社支援企業の採択率は、おかげさまで100%となっています。
全体採択率も60%を超えているので、昨今の他の補助金の採択率(10%台~30%台)と比較するとねらい目の補助金とも言えます。
本日は、省力化補助金の採択事例をご紹介します。
「こんな業界でも使えるのか!」「あの支援先にも提案できるかも?」と気づきを得られる内容です。

省力化補助金とは

省力化補助金は、人手不足対策として、中小企業がデジタル技術を活用し業務の自動化により工数削減、生産性向上を進めるための補助金です。

補助上限額

5人以下⇒ 750万円(1,000万円)
6〜20人⇒ 1,500万円(2,000万円)
21〜50人⇒3,000万円(4,000万円)
51〜100人⇒5,000万円(6,500万円)
101人以上⇒8,000万円(1億円)

補助率

補助額1,500万円まで⇒1/2(2/3)
1,500万円を超える部分⇒1/3

※( )内は大幅な賃上げする場合

採択結果から読み解ける内容

採択者の補助金申請額は1,500万円〜1,750万円未満が最多で、全体の約18%を占めました。
つまり、投資額2,250万円~5,000万円程度が主となっています。

また当補助金は、製造業以外の業界からなんと40%超の採択企業があります。

(出典:一般型公募(第2回) 採択結果について

上記の図の通り、建設業や宿泊・飲食業はもちろん、士業や歯科医院、モビリティ等でも採択されています。

業種別採択事例

ここからは、実際に採択された企業の事例をご紹介します。
「え、こんなパターンも対象になるの?」「自社も申請できそう!」と感じる事例も多いはずです。

建設業

課題:手作業のアタッチメント交換で2名配置が必要。非効率なため年間1,200時間増加、約1,500万円のコスト増が発生。

投資内容:油圧ショベル+チルトローテーター+ワイドバケット+爪付きバケット・マルチグラップル・転圧機

投資効果:手作業を機械化することで約45%工数削減。浮いた時間を教育にあて、高精度な施工を実現する体制を構築し、より高単価・利益率の高い案件を受注。

卸売・小売業

課題:紙伝票と多品種少量の受注でピッキングが非効率。作業50時間・移動230km/日、ミス2%で年間1,000万円の利益を圧迫。

投資内容:ピッキングカートシステム+タブレットピッキングシステムで、伝票のペーパーレス化、及び、最短経路を自動算出

投資効果:年間労働時間を30%(約5,000時間)削減。移動距離を年間2万km削減。ピッキングミス発生率も1%未満にまで減少

宿泊業

課題:人手不足と採用難でサービス拡充が進まず、客単価が目標より10%低く年間1,500万円超を逸失。社員がフロント事務に1日6時間以上を費やす

投資内容:自動チェックイン機械+IC カードロックシステム でフロント業務を全て自動化。 

投資効果:フロント業務の完全自動化により、1日6時間削減。削減時間をサービス拡充や管理、教育に充て、客単価UP・年間売上増加。

飲食業

課題:人力での食器搬送(25~30kg)による労災リスクが常態化。食器滞留による洗浄停止でテーブルリセットが遅延、年間2,400万円の機会損失が発生。

投資内容:自立走行搬送ロボット+高性能食器洗浄機+AI画像認識ソーティングシステム +統合制御システム・交通制御システム

投資効果:食器搬送ロボットでスタッフの労災リスクを解消。AI統合制御で食器滞留とライン停止を防ぎ、処理能力とピーク時対応力が大幅に向上

サービス業(クリーニング)

課題:現状24時間稼働しており、新規受注が困難(年間2,000万円逸失)。工場内は高温多湿で従業員の肉体負担が高く、既存設備では対応不可な生地素材も存在。

投資内容:スプレッダー+アイロンかけ機+折り畳み機

投資効果:仕上げ速度が約4倍になり1日20時間削減。乾燥機作業の自動化で労働環境を改善し、処理能力増加により新規受注と特殊素材対応で売上拡大を実現

サービス業(自動車整備業)

課題:塗装に1台30時間かかり週2台が限界。年間40台・1,200万円の受注を逸失。現状設備では調色ばらつきでやり直しが頻発

投資内容:塗装ブース+調色システム(AIカラーシステム) 

投資効果:1台あたり約15時間作業時間を削減し、受注キャパが2倍に増加。高精度な調合が可能になったことで高単価車種の受注を実現。

製造業

課題:熟練者と非熟練者の作業時間に5倍もの差があり、年間1,500時間超のロスが発生。熟練者の定年も近い。

投資内容:ワイヤ放電加工機にロータリーテーブルを組み合わせて3次元加工を実現

投資効果:作業の80%を削減し、生産数70%増加

どの業界にも共通するのは、「省力化だけでなく、その先の付加価値向上を見据えた投資」であることです。
単なる“人を減らす”ではなく、“浮いた時間で何を生み出すか”が採択の鍵となっています。

皆様の会社においても、当てはまる要素がありましたでしょうか??
人手不足・生産性向上・省力化・AI活用・DX…
いずれかのキーワードが支援中に出た場合は、省力化補助金の活用も検討してみてください。

「これ、使える?」「省力化補助金に該当する?」といったご不明点やご質問は、下記からお気軽にご相談ください。

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