成長加速化補助金で「リース」は使える?リース活用時の注意点

売上100億円企業への成長を目指す大胆な設備投資を支援する中小企業成長加速化補助金。
工場の新設や大規模な設備更新など、1億円以上の投資が対象となるこの補助金ですが、「高額な初期投資をリースで賄えないだろうか?」と考える経営者の方も多いはずです。 

この記事では、中小企業成長加速化補助金でリースを活用するための
基本的なルール
対象経費
メリット/デメリット
そして、・「共同申請」の流れ
について、初めての方にも分かりやすく解説します。 

成長加速化補助金でリースは補助対象になるのか?

『はい、補助対象になります。』 
 
リースを利用する場合、ユーザーとリース会社が共同で申請手続きを行う点が特徴です

この仕組みでは、採択後に交付される補助金(最大5億円、補助率1/2)は、ユーザーではなく共同申請者であるリース会社に直接支払われます。
そしてリース会社は、受け取った補助金の全額を、ユーザーが支払うリース料総額から差し引かなければなりません。

また、原則、リース会社は1つの共同申請につき1社である点は注意が必要です。 

補助金申請においてリース会社を活用することで、ユーザーは月々のリース料が大幅に軽減されるという形で、補助金の恩恵を受けることになります。
これにより、多額の資金を一度に用意することなく、軽減されたリース料で最新の設備を導入し、事業を成長させることが可能になります。 

リース利用時に認められる補助対象経費の範囲

この補助金は、売上100億円達成に資する大規模投資を支援するため、対象経費の範囲が広いのが特徴です。

本補助金において、リース会社との共同申請は、専ら補助事業のために使⽤される「機械装置・⼯具・器具」、「ソフトウェア」であり、投資金額が1億円以上のものに限られます。 
この場合、投資額はリース資産の⾦額であり、消費税額抜きの⾦額です。すなわち、リースに伴う利子に関する経費は補助対象外となります。そして、リース会社との共同申請は、ファイナンス・リース取引に限られます。 

この条件については各投資対象によって細かな制約があります。申請前に補助金事務局やリース会社、申請サポート会社に相談してみましょう。 

リース活用のメリット・デメリット

この補助金でリースを活用する際のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

巨額の初期投資が不要
1億円以上という大規模投資の初期負担を、月々のリース料に平準化できます。自己資金を運転資金などに温存でき、財務の安定性が向上します。 

補助金によりリース料が大幅に軽減
補助金がリース料に直接充当されるため、市場の標準的なリース料よりも格段に安いコストで設備を利用できます。

専門家のサポート
共同申請者となるリース会社は、補助金申請に関するノウハウを持っている場合が多く、複雑な手続きのサポートが期待できます。

デメリット

共同申請の手間
ユーザー単独で申請する場合に比べ、リース会社との事前調整や書類準備など、連携の手間がかかります。 

リース会社の選定が重要になる
共同申請の実績や意欲があるリース会社をパートナーに選ぶ必要があります。 

中途解約が困難
一般的なリース契約と同様に、原則として契約期間中の解約はできません。長期的な事業計画に基づいた慎重な判断が求められます。 

成長加速化補助金でリースを活用する流れを確認

「共同申請」を前提とした、リース活用の大まかな流れは以下の通りです。

1)事業計画の策定と100億宣言
まず、売上100億円達成に向けた具体的な事業計画を策定し、ポータルサイトで100億宣言を行います。 

2)リース会社への相談・パートナー選定
計画を基に、共同申請のパートナーとなるリース会社に相談し、協力を取り付けます。 

3)共同での公募申請
リース会社と連携して申請書類を作成し、補助金申請システムjGrantsを通じて共同で申請します。 

4)採択・交付決定
審査を経て採択されると、事務局に交付申請を行います。その後、交付決定通知が届きます。
この交付決定日以降に、正式なリース契約を締結する必要があります。 

5)リース契約締結と設備の導入
リース会社と本契約を結び、計画に沿って設備の導入を進めます。 

6)実績報告と補助金の交付
事業期間終了後、実績報告を行います。検査を経て補助金額が確定し、リース会社に補助金が支払われます。ユーザーは、軽減されたリース料の支払いを継続します。 

    この補助金のリース活用は、成長意欲の高い企業にとって非常に強力な選択肢です。 
    まずは公募要領を確認し、信頼できるリース会社に相談することから始めてみましょう! 

    この記事は、2025年9月時点で公開されている以下の公式情報を基に作成しています。公募回や制度改正により内容が変更される可能性があるため、申請を検討される際は、必ず公式サイトで最新の情報を直接ご確認ください。 


    【公式サイト/ポータルサイト】 
    100億企業成長ポータル(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

    【主要な関連資料】 
    中小企業成長加速化補助金 公募要領(中小企業庁) 
    中小企業成長加速化補助金 よくあるご質問(FAQ)(中小企業基盤整備機構) 
    中小企業成長加速化補助金に係る リース料軽減計算書確認の手引き(公益社団法人リース事業協会) 

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