競争率が大幅変化!「大規模成長投資補助金」3次採択結果速報と4次公募スケジュール

2025年6月30日に、大規模成長投資補助金採択結果が発表されました。
大規模成長投資補助金とは、中堅・中小企業による人手不足対応や成長を目的とし、最大50億円という大型補助金です。

大規模成長投資補助金3次公募の結果

・申請件数:229件
・一次審査(書類審査)通過:177件
・採択件数:116件
・採択倍率:約2.0倍
・平均投資予定額:約62億円
・目標賃上げ率(中央値):6.2%
・採択金額合計:約1,812億円

(参考:大規模成長投資補助金「3次公募の採択者について」)

おかげさまで、当社の支援企業も多く採択され、全体採択率を大きく上回る採択結果となりました。

1~3次公募の数値比較

これまでの3回の公募を通じて、申請件数や採択率には明確な傾向が見えてきました。

申請件数と採択率比較

1次公募では、736件の申請のうち、254件が一次審査を通過し、最終的に109件が採択されました。
全体の採択率は約14.8%、一次審査を通過した中での採択率は約43%でした。

続く2次公募では、申請件数はやや減って605件。そのうち218件が一次審査を通過し、採択されたのは85件。
全体の採択率は約14%、一次通過後の採択率は約39%と、やや厳しさを増しました。

そして今回の3次公募では、申請件数が229件と大幅に減少。

そのうち177件が一次審査を通過し、最終的に116件が採択されました。
採択率は全体で約50.7%、一次通過後の採択率は約66%と、過去2回と比べて大きく上昇しています。

申請件数が減った一方で、採択率は上昇しています。

申請者のスタンスの変化もある可能性

つまり、申請件数が減少した背景には、「とりあえず申請する」というスタンスではなく、本気で成長を目指し、賃上げや生産性向上に資する投資を計画している企業だけが申請に踏み切っているという傾向があるでしょう。

補助金ありきではなく、自社の将来を見据えた本質的な投資を検討している企業こそが、しっかりと準備を行い、採択を勝ち取っているのです。

今回の採択結果は、制度がそうした“本気の投資計画”を後押しするために設計されていることを改めて示しています。

本気の投資計画をお持ちの企業はもちろん、過去公募回で申請したが採択されなかった企業も、次回の4次公募で是非申請を検討していただきたいと思います。

目標賃上げ中央値と投資予定額中央値比較

3次公募の採択結果からは、これまで以上に“高い成長目標”を掲げた企業が採択されていることがわかります。

たとえば、今回の採択企業の平均投資予定額は約62億円、目標賃上げ率の中央値は6.2%。
これは、1次・2次公募と比べて明らかに水準が引き上げられています。

実際に、過去の公募との比較では以下のような傾向が見られます。

1次、2次公募と3次公募の中央値比較

1次採択企業:投資予定額中央値 約50億円/賃上げ率中央値 約5.0%

2次採択企業:投資予定額中央値 約47億円/賃上げ率中央値 約5.4%

これに対し、3次では賃上げ水準・投資規模ともに一段と高い目標設定が求められ、それに応えた企業が採択されているといえるでしょう。

さらに、今回からは審査基準として「賃上げ率」についても、全国平均の最低賃金上昇率(約4.5%)を超える目標が事実上の前提となっており、単なる計画ではなく「実行性」がより重視されています。

つまり、「賃上げ」と「生産性向上」を両立する本気の成長投資であるかどうかが、採択の鍵となっています。

4次公募の締め切りは2025年8月8日!


4次公募が2025年7月7日に公募開始されました。
締切は2025年8月8日(金)17:00です。

スケジュール感としては、以下となります。

4次公募スケジュール

公募開始:2025年7月7日
公募申請締切 : 2025年 8月8日
プレゼンテーション審査 : 2025年 9月下旬(予定)
採択結果の公表 : 2025年 10月上中旬(予定)
補助事業期間:2027年12月31日まで

さらに、予算面にも注目です。

この補助金には総額3,000億円の補正予算が確保されており、3次公募ではそのうち1,800億円超がすでに採択済み。

つまり、4次では残りの約1,200億円が対象となると見込まれます。

この“残り予算枠”をめぐって、より本気度の高い申請が集中する可能性もあるため、早期の準備が重要です。

今対応すべきこと

投資計画がある程度固まっている企業

・補助金に精通した専門家に早めに相談し、計画の方向性を共有・調整しましょう。
 →現状構想している計画の質を高め、申請までの時間を長く確保することも精度を高めるのに重要です。

・計画の数値目標(賃上げ率・投資額・生産性向上)を過去の採択中央値以上にブラッシュアップ
 → 競争が激しい中で採択されるためには、具体的かつ高い目標設定が必須です。

・社内体制(経営・財務・現場)で連携できるメンバーを決めておく
 → 計画理解・資金調達・進捗管理まで社内横断で動ける体制が、申請のスピードと完成度を左右します。

・金融機関と密に連携し、財務面や資金繰りの裏付けを固める
 → 申請時の信頼度アップに加え、実行段階での支援も見据えた対応。

・過去公募回で不採択となった企業がリベンジを行う場合は、不採択の理由や審査員の視点を踏まえ、書類の論理性と説得力を強化
 → 自社計画の強み・独自性を明確に示し、リスク対策も網羅。

投資計画が固まっていない企業

・自社の成長戦略と補助金要件のすり合わせを行い、投資方針の骨子を固める
 → 補助金申請ありきではなく、自社の本質的な成長に資する内容を検討。

・具体的に投資可能な設備や事業領域のリストアップを開始する
 → どの投資が補助対象になるかを早めに把握し、優先順位をつける。

・専門家や補助金支援機関に早めに相談し、計画策定の方向性を共有・調整する
 → 初期段階からの支援で計画の質を高め、申請までの時間を確保。

当社では大規模成長投資補助金に関する無料相談をお受けしています。お気軽にご相談予約ください。

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