
1500社超が宣言!100億宣言企業が公開。宣言のメリットは?

今年開始された「100億宣言」をご存じでしょうか?
「うちの会社は100億円を目指して本気で成長します!」
と国に対して明言するものです。
解説すると、「100億宣言」とは、企業が将来的に売上高100億円の達成を目指すことを公に表明する制度です。
これは、経済産業省の「成長加速化補助金(補助金額最大5億円)」などの大型支援施策への申請要件の一つでもあり、単なる目標ではなく、成長意欲と戦略性を示す公式な意思表示と位置づけられています。
宣言を行った企業は1500社を超え、事務局の確認が済んだ企業から、順次公開が進んでいます。(6月24時点では600社超が公開済)
間違いないことは、100億宣言を実施した企業は、今後の成長を本気で目指しており、注目に値します。
当社でも各種分析を進めており、今後改めて発信させていただく予定です。
今回は、今注目度が高まっている「100億宣言」について、なぜ宣言をすべきなのか?
その理由とメリットを、整理してお届けします。
なぜ「100億宣言」をすべきなのか?
ここでは、企業にとっての主なメリットを4点に整理してご紹介します。
✅成長加速化補助金に申請するための必須要件
成長加速化補助金は、補助金額最大5億円という大型補助金です。
売上高100億円超を目指す中小企業の 大胆な投資を支援するもので、建物費を含む幅広い経費が補助対象となるため、採択されれば極めて大きな支援が受けられます。
その申請資格を得るには、まず100億宣言の登録が必要不可欠です。
逆に言えば、宣言をしていなければ、そもそもこの補助金の土俵にすら立てない ということです。
✅経営計画を見直す絶好の機会
売上高100億という目標は、「単なるいまの延長線上」では到達できません。
だからこそ、多くの企業が宣言登録の過程で次のような動きに入ります。
・中期経営計画の見直し
・新規事業や設備投資など、大型投資の検討
・人材戦略やDX方針の再構築
つまり、宣言をすることで自然と“成長前提の思考”に切り替わるのです。 補助金の有無にかかわらず、経営の見直し効果だけでも十分に意義があります。
✅信用力・ブランド価値の向上
100億宣言企業として登録されると、以下の内容が国のポータルサイトで公開されます。
・企業理念
・売上100億円達成の目標時期や課題
・売上高100億円実現に向けた具体的措置
これは、 「自社は本気で成長を目指している企業です」と、社内外に明確に発信できる機会とも言えます。
結果として、従業員の意識統一やモチベーションの向上に加え、取引先・金融機関・株主などからの信用力向上にもつながります。
さらに、成長ビジョンが明確になることで、優秀な人材の採用強化にも寄与し、企業ブランディングにも好影響を与えます。
✅税制優遇
100億宣言を行うことで、経営強化税制の拡充措置を活用しやすくなります。 対象設備への投資に対して、税額控除や特別償却といった優遇措置を受けられる可能性が広がります。
また、将来的には「地域未来牽引企業」のように、他の補助金申請時の加点対象となる可能性も十分に考えられるでしょう。
よくある誤解:うちは100億なんて無理だから関係ない
実は、100億宣言は現在の年商が10億円以上100億円未満の企業であれば宣言可能です。
そして、目標達成の目安期間はおおよそ10年以内とされています。
実際に登録されている企業には、現時点で年商10〜20億円台の企業も数多く存在しています。
ここで大事なのは、「本当に100億に到達できるかどうか」ではなく、 “そのつもりで”中長期計画を立てているかどうかです。
目指す姿を言語化し、具体的なステップを描くことは、補助金の申請時にも通用する本質的な計画力として評価される要素でもあります。
✅まとめ
100億宣言は、単なる補助金の前提条件ではありません。
経営計画の見直し・信用力の向上・人材採用・税制優遇など、多くのプラス効果が見込めます。
今後、宣言企業を対象とした新たな支援策が増えていく可能性も高いため、
この制度を「今のうちに活用」しておくことが賢明です。
中長期経営計画においても参考となる100億宣言。
分析結果等を今後も発信していく予定です。
100億宣言&成長加速化補助金解説レポート
本レポートは、成長意欲の高い企業が「100億宣言」を活用すべき理由や、100億宣言を行うことで活用できる補助金である「中小企業成長加速化補助金」、売上高100億円企業を目指すステップ等について解説します。
