次世代法に基づく行動計画の作り方と両立支援の広場への公表手順

製造業を中心に高まる女性活躍推進の要請とは

近年、製造業をはじめとする多くの業界で、女性の活躍推進が社会的・政策的に強く求められています。少子高齢化による労働力不足を背景に、多様な人材の確保が喫緊の課題となっており、政府も女性活躍推進法や次世代育成支援対策推進法(通称:次世代法)を通じて企業に対策を促しています。

特に製造業は、従来男性中心だった業界構造の見直しが急務となっており、多様性ある組織づくりが企業の競争力を左右する時代に入りました。従業員101人以上の企業には法的義務も課されるため、対応を後回しにすることはリスクとなり得ます。

次世代法の行動計画とは?対象企業と義務を解説

次世代法に基づく行動計画とは、従業員が子育てと仕事を両立できる職場環境の整備に向けた企業の取り組み方針を文書化し、公表・提出する制度です。対象となるのは常時雇用する労働者が101人以上の企業で、これらの企業には「行動計画を策定し、厚生労働大臣に届け出、公表する」ことが義務付けられています。違反に対する罰則はありませんが、未対応の企業は補助金申請時の加点対象から外れる可能性もあります。

任意で取り組む企業も増加傾向にあり、制度対応の有無が企業の姿勢や信頼性に直結する時代になりつつあります。

次世代法に基づく行動計画の作り方と提出ステップ

行動計画の策定は、まず自社の現状把握から始めます。

育児休業取得率や労働時間の実態、社員のニーズなどを踏まえ、今後数年間に実現したい目標とその達成手段を具体化します。計画が完成したら、厚生労働省が提供する「両立支援のひろば」を通じてオンライン提出を行い、併せて自社ホームページなどで外部にも公表します。計画期間は1〜5年が目安で、定期的な見直しと進捗評価も求められます。社労士など専門家と連携することで、制度要件に適合しつつ実効性の高い計画を効率的に整備できます。

行動計画が補助金加点や企業価値向上につながる理由

行動計画は単なる法令対応にとどまらず、補助金申請時の加点項目としても活用されています。

たとえば事業再構築補助金やものづくり補助金では、「次世代法に基づく行動計画を策定・公表していること」が審査項目の一つとなっており、競争的な申請環境下では無視できない要素です。また、計画を通じた働きやすい職場づくりは、採用力の強化や離職率の低下にも直結します。

さらにSDGsやESG経営といった社会的責任への対応として、社外評価・金融機関からの信頼性向上にもつながるため、企業全体の価値向上策としても有効です。

まとめ|行動計画は法対応以上の経営戦略になる

次世代法に基づく行動計画の策定は、義務だからという理由だけで取り組むにはもったいない施策です。法令対応に加え、補助金申請の加点要素である

✅人材確保
✅企業ブランディング
✅ESG対応など、、、

実務・経営の両面に多くのメリットがあります。
特に製造業のように労働環境改善が求められる業界では、早期対応が企業成長の土台となります。外部パートナーの活用や、他社事例の参考も有効です。

制度を正しく理解し、戦略的に取り組むことで、持続的な企業成長を実現しましょう。

補助金申請でよく見る「次世代法」とは?今さら聞けない基礎知識

「次世代法」とは、正式には「次世代育成支援対策推進法」のことを指します。
少子化が進む中、企業に対して子育てと仕事の両立を支援する環境整備を促す目的で制定された法律です。
企業は、次世代法に基づき、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」を策定することとなっています。
常時雇用する労働者が101人以上の企業は、行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局に届け出ることが義務であり、100人以下の企業は努力義務です。

しかし、補助金制度では100人以下の企業も対象に、「次世代法に基づく行動計画の策定・公表」が申請の加点要件となるケースが多く存在します。更に、2025年度では、補助金申請時の申請要件として制定されている補助金も登場しています。

補助金に関わる際には、企業規模を問わず「次世代法」への理解と対応が求められるため、基礎知識として押さえておく必要があるでしょう。

次世代法への対応が申請要件や加点要件に!

補助金制度では、「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表」への対応が、申請の際の「要件」や「加点項目」として扱われるケースが増えています。

たとえば、第13回で公募は終了しましたが「事業再構築補助金」などでは一般事業主行動計画を策定・公表している企業に対して加点が与えられ、採択率に影響することもありました。

さらに、
・ものづくり補助金(https://portal.monodukuri-hojo.jp/
・省力化投資補助金(一般型)https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
・新事業進出補助金https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
などでは申請時の基本要件の一つとして次世代法に基づく行動計画の公表が求められています。

もし対応していない場合、形式要件を満たせず申請できないことも。。。

また、加点対象となるには、行動計画の公表の更に先にある「くるみん認定」が求められるようになるなど、求められる内容もレベルアップしています。

他に、「大規模成長投資補助金」「中小企業成長加速化補助金」においても、加点対象と明記はされていませんが、行動計画の公表の有無を記載する箇所や、申請資料の1ページに取組状況を記載する箇所があります。このように、企業として対応していることが前提条件になってくる潮流だと言えますので、補助金の活用を視野に入れている企業は、早めに対応を進めることが重要です!

次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表手順

次世代法に基づく一般事業主行動計画の公表は、端的にまとめると、「次世代法に基づく一般事業主行動計画を作成していただき、指定のサイトに登録を行う。そして事務局が内容を確認し、約1週間程度で公開される」と対応完了となります。

主に以下のような流れで進めてください。

1)行動計画の策定

・自社の課題や現状分析を行い、目標・計画期間・具体的な取組内容を策定します
・育児休業取得率や労働時間、両立支援制度の整備状況など、従業員の働き方に関する実態を確認
・ 現状の課題に対して「育児休業制度の利用促進」や「所定外労働時間の削減」など、具体的な目標を定める
・ 目標達成に向けた取り組み(例:ノー残業デーの導入、社内研修の実施など)を計画書に記載
※モデル計画もサイトに公開されています

2)指定サイトに登録・公開

・登録サイトhttps://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/userinfo/loginに登録を進める
・ステップ1で作成した行動計画のPDFをアップロード
・事務局の確認後、修正等なければ数営業日で公開
・両立支援の広場https://ryouritsu.mhlw.go.jp/に行動計画を公開することで、補助金申請時に必要となる要件を満たすケースがほとんどです。

3)その他の対応

・労働者への周知
・常時雇用する労働者が101人以上の企業は、行動計画を作成した旨を都道府県労働局に届け出る
※補助金申請においては、ここまでの確認は行われません

特設サイトにはフォーマットや記載例もあるため、初めての企業でも安心して取り組めます。しかし、初めての作成や届け出は分かりにくく、書類作成やスケジュール管理で手間がかかることも多いのが実情です。

そこで、補助金申請に精通した専門のサポート会社に相談すれば、アドバイスも含め、スムーズかつ確実に対応可能でしょう。
事前準備をしっかり行い、確実に対応を進めて補助金申請・並ぶに採択率アップを目指しましょう。

補助金申請を成功させたいなら、まずは専門家への相談がおすすめです。
お気軽にお問い合わせください!

まとめ:補助金申請前にチェック!申請要件・加点要件を押さえて申請を進めましょう

補助金申請を成功に導くには、制度ごとの要件をしっかり押さえたうえで、「基本要件」は言わずもがなですが、採択率を高める「加点項目」にも目を向けることが重要です。その一つが「次世代法」への対応。
行動計画の策定・公表は、複雑に思われがちですが、実際には中小企業でも取り組みやすい内容です。

とは言っても、「うちの場合はどうすれば?」と迷う企業も多いはず。。。
そんなときは、補助金制度に精通した専門家に相談するのも有効な選択です。対応すべきポイントを明確にし、無駄なく準備を進めることで、申請成功の可能性がぐっと高まります。

補助金の活用を本気で考えるなら、まずは専門家に相談してみましょう。チャンスを逃さないための第一歩です。

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