
補助金で差がつく!建設業の経営改善の秘訣

建設業の経営課題と補助金活用の重要性
建設業界では、
✅人手不足
✅資材価格の高騰
✅労働環境の改善要請
など、複合的な経営課題が山積しています。
これらに対応するためには、単なるコスト削減ではなく、抜本的な生産性向上や設備投資が求められます。
しかし、これらに取り組むには多額の資金が必要です。そこで注目されるのが補助金の活用。
補助金は返済不要の資金調達手段であり、経営リスクを抑えながら投資を進めることが可能です。
特に省力化設備の導入や環境性能が高い建築物の設計・施工など、課題解決に直結する分野での活用が効果的です。
建設業が使える主な補助金制度をわかりやすく紹介
建設業が活用できる代表的な補助金は以下のようなものがあります。各補助金は目的や対象経費が異なるため、目的に応じた選定が鍵です。
中小企業省力化投資補助金
省力化・自動化設備の導入を支援する補助金です。カタログ型と一般型(オーダーメイド機器)の申請区分があり、建設業では、清掃ロボットやバランサ装置、測量機、高機能建設機械などが対象となります。
(参考:https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_catalog.pdf)
新事業進出補助金
新市場に進出し新規事業を実施する中小企業を支援します。市場と製品は新規性が求められるので、既存事業と関連性があり、まだ対応したことのない分野を絞り出すことが重要です。前身となる事業再構築補助金における採択例なども参考にしてみるといいでしょう。
(参考:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/tokubetsu_all12.pdf)
ものづくり補助金
革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善を支援する補助金です。建設業では、最新の建設技術や資材の導入などが対象となります。
大規模成長投資補助金
10億円以上の大規模投資を伴う際に活用できます。拠点新設や建設資材の製造のための工場建設などにも適しています。
成長加速化補助金
建設業を含む中小企業が売上高100億円を目指すための大規模な投資を支援する新設の補助制度です。ICT施工機器の導入や、最新の建設機械の購入などに活用できます。
IT導入補助金
業務効率化や生産性向上を目的としたITツールの導入を支援します。建設業では、施工管理ソフトや見積・請求システムの導入、新たな施工技術の開発などが対象となります。
小規模事業者持続化補助金
常時使用する従業員が20人以下の建設業者が対象で、販路開拓や業務効率化のための取り組みを支援します。
新事業進出補助金
実際の建設業の補助金採択事例から、どのような事業で活用できるのか考えてみましょう。
新規事業:事業再構築補助金/新事業進出補助金
・ 建設業からカフェ事業への新市場進出
自社の遊休物件を活用し、伊勢市の観光資源や農産物を楽しめるカフェをオープン。建設業の強みを活かしながら、地域資源を活用した新たな市場への進出を図る。
・建設業から軽油供給事業への新分野展開
近隣の自動車道の4車線化を機会と捉え、建設業者向けの軽油供給事業に参入。
・土木建設工事業から解体事業への進出
地域の空き家問題の解決の一助となる、ICT機械を導入した空き家解体事業への進出と地域事業者と連携した利活用推進
大規模成長投資補助金
・新工場建設と省力化推進
需要拡大中のフレームの増産体制を整えるために、新工場を設立し、生産工程を自動化する体制を整える。現在手作業で行っている工程を自動化するこ とで省力化・省人化を達成し、労働生産性を向上させる
・輸送コストを原因に受注機会を逃さないための新拠点設立
受注が増加しているエリアにおいて、輸送コスト負担が⼤きく、⼊札に影響を及ぼすなど機会損失が発⽣していた。また、海上輸送が必要な⼤型案件も受注機会を逃していた。このため、該当エリアをカバーする拠点として、新規⼯場を建設する。
・人材難の中で持続的成長を可能にするシステム鉄骨部材の内製化に向けた工場建設
自社独自のシステム鉄骨部材を内製することで価格競争力、資材の安定供給を 獲得し、グループの中核企業として持続的な成長を実現する。
※上記は大規模成長投資補助金の交付決定企業の情報を基に作成
これらの事例に共通するのは、単に資金援助を受けるだけでなく、経営戦略の一環として補助金を活用している点です。
計画的な申請と現場への適用が成果につながっています。
顧客に対し、営業時に提案できる補助金
建設業では、施主やクライアントに対して「補助金を活用すればコストを抑えた提案が可能」とアピールすることで、受注確度を高めることができます。
一例を下記に記載します。
・省エネ補助金
省エネ性能の高い建築仕様を提案し、省エネ補助金の対象となる設備を導入することで、施主の初期費用負担を軽減できます。
・ZEB
注目したいのがZEB(ゼブ:Net Zero Energy Building/ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)です。
ZEBは、使うエネルギーと創るエネルギーをプラスマイナスゼロにする建築のことで、特に公共施設や中大規模オフィスビルなどで注目されています。
建設業者が顧客にZEBを提案することには、以下のような多くのメリットがあります。
補助金を活用した提案を行う建設業向けのメリット
差別化・ブランド力の向上
・ZEB提案・施工ができる=高い技術力・提案力があると市場から評価される。
・官公庁・大企業からの受注において「ZEB実績」が入札要件となるケースも増加中。
ZEBプランナー等の認証取得で信頼感が高まる。
長期的な収益確保
・設計・施工だけでなく、ZEB運用後のエネルギーマネジメント・保守契約も可能。
補助金を活用したZEB提案によって、契約単価の向上が見込める。
・補助金を活用したZEB提案によって、契約単価の向上が見込める。
補助金提案による受注強化
・経済産業省や環境省のZEB関連補助金(例:ZEB実証事業、先進的省エネ建築等導入促進事業)を活用した提案が可能。
補助金サポート付きの営業活動は、顧客の初期投資ハードルを下げ、成約率向上につながる。
顧客にとってのメリット
ランニングコストの大幅削減
・光熱費がほぼゼロに。中長期的に見れば大幅なコスト削減が可能。
電気料金の高騰対策としても非常に有効。
補助金で初期投資を軽減できる
・事業費の1/2~2/3が補助されるケースも。
・設計段階から補助金ありきで提案できれば、コスト面での説得力が増す。
企業のESG・SDGs対策に有効
・CO₂削減、カーボンニュートラル推進、環境報告書への明記など、社会的評価向上。
環境に配慮する企業として、投資家・取引先・従業員へのアピールに。
このような補助金申請は、補助金に関する知識が必要となります。
また、公募時期や補助事業期間から、いつの提案だと対象になり得るのかなど計画的に検討することが重要です。
その点からも、建設業が補助金を活用するうえで、申請のポイントを押さえ、必要に応じて補助金コンサルタントを活用することは、採択率の向上・手間の削減・事業成功の可能性を大きく高めるでしょう。
建設業が補助金コンサルタントを活用するメリット
採択率可能性を高める
コンサルタントは過去の採択事例・不採択理由を熟知しており、審査員の評価ポイントを押さえた書き方を指南することができます。また、建設業の対応実績がある場合、業界特有の論点把握もスムーズに進むでしょう。
書類作成の負担を軽減できる
書類作成サポートやスケジュール調整は任せられるため、本業に集中できます。社内に申請経験者がいない企業の場合、補助金の制度理解にも時間を要するため、特に有効です。
補助金制度の「最適選択」ができる
同じ事業でも複数の補助金制度が対象となる場合があります。補助金コンサルタントは最新制度を熟知しており、最も有利な補助金を提案します。
採択後の交付申請、実績報告までサポート
補助金は採択後の「交付申請」や「実績報告」時の経費の証拠提出が非常に煩雑です。実際、ここの対応に心が折れて採択取り消しとなる事業者様もいらっしゃいます。その点からも、アフターサポート付きのワンストップ対応は安心と言えるでしょう。
専門家のサポートを受けることで、申請書の精度を高め、採択率を上げることも現実的な戦略です。
補助金には必ず「申請期限」があります。必要書類の準備には時間がかかるため、自社の補助金活用、顧客の補助金活用、いずれの場合も、早めに相談をしていただくことが重要です。