2024年は中堅企業元年!事業拡大に役立つ補助金を解説
先日、経済産業省の概算要求が発表され、100億企業化を目指す中小、中堅企業への支援策が広がる見込みとなっています。
なぜ今100億企業化なのか
政府は今後の経済、社会環境の変化に対応しながら経済発展を進めていくために、地域経済を先導するような企業、外貨を獲得する企業へ成長する企業を創出することが必要だと述べています。
今年6月に発表された、中小企業の成長経営の実現に向けた研究会第2次中間報告書によると、中小企業に変革・成長が求められる理由として、
・人口減少
・サプライチェーンでの協業で解決すべき課題が生じていること
・金利の上昇
の3つが挙げられており、これらへの対応を進めるために地方における100億企業の創出を促進していくべきだと述べられています。
100億円企業に成長するためには
先ほどの報告書の中で行われた100億企業の分析によると、100億企業には次の3つの特徴があるとされています。
①総資産に対する借入金の割合が低下しており、その反対に利益剰余金が増加する。
②経常利益率が高く、なおかつ特定の1社への取引依存度が低い。
③有形固定資産、研究開発費、輸出実績企業比率が伸びている。
これらを実現する手段の1つとして、返済不要で資金調達ができる、補助金の活用が有効です。
活用可能性の高い補助金例
事業再構築補助金
もともとはコロナ禍で売上が低下した事業者に対する支援として生まれた補助金でしたが、第12回公募からはポストコロナに対応した事業再構築による成長を支援する補助金へと形を変えています。
中でも100億企業を目指していく中で注目すべきなのは「成長分野進出枠」です。
成長分野進出枠は、成長分野として指定された業種または過去のデータから成長分野であると示せる業種への展開を補助するもので、通常類型では最大7000万円、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組に限定されるGX進出類型の場合は最大1.5億円の補助が受けられます。
特定の分野への依存から脱却したい、より多くの売上の柱を作りたいという企業にはぴったりの補助金です。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり補助金は「革新的な製品・サービスの開発または生産プロセス等の省力化のための設備投資・システム構築」を支援する補助金で、省力化枠、製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠があります。
省力化枠が最も補助上限の大きな枠で、人手不足の解消に向けた専用設備を導入して省力化する場合に最大で8000万円の補助が受けられます。
製品・サービス高付加価値化枠は通常類型と成長分野進出類型の二つに分けられ、通常類型では革新的な製品・サービスの「開発」に必要な設備を支援するもので、成長分野進出類型はその中でも今後成長が見込まれる分野に対するものが該当し、それぞれ最大で1250万円、2500万円の補助が受けられます。グローバル枠は、海外事業を実施し、国内の生産性を高める取組に必要な設備、システム投資を支援するもので、最大3000万円の補助が受けられます。対象になりうる事業が幅広く、制限はあるものの、何回でも活用できる補助金なので幅広い企業におすすめできます。
中堅・中小大規模成長投資補助金
人手不足などの課題に対応し、成長していくことを目指す大規模投資を促進する補助金で、持続的な賃上げ、労働生産性の向上、事業拡大のための拠点新設や設備投資に補助を行う補助金です。
中小、中堅企業を対象とした補助金の中では特に高額な補助金であり、10億を超える投資に対して補助率1/3、最大50億円の補助を行います。金額が非常に大きな補助金なので、審査も書類の一次審査、それを通過したのちには代表権を持つ方によるプレゼン審査が二次審査として行われ、採択率も平均12%程度と難易度の高い補助金ですが、思い切った大規模な投資で事業規模を一気に拡大したい企業はぜひチャレンジしたい補助金になっています。
IT導入補助金
IT導入補助金は、製品・サービスの生産・提供など、生産活動に資する事業を行っている中小企業に対して自社の強み、弱みを認識、分析し、生産性向上のための施策としてITツールを導入する際の費用を補助するもので、通常枠では450万円までの補助が受けられます。
近年のインボイス等の新制度への対応や、事業拡大に伴う事務手続きのコストの増加などITツールが役に立つ場面は年々増加しています。資金が理由でDXが進められていなかった企業には、チャンスといえる補助金です。
中小企業省力化投資補助金
人手不足に悩む中小企業等に対してIoTやロボットのような人手不足解消に資する汎用製品を導入するための経費を補助するもので、最大で1500万円の補助が受けられます。
事業再構築補助金やものづくり補助金など、ある特定の事業に使用するための設備を補助するものは多いですが、汎用的に役立つ製品の導入を補助する点が特徴的といえます。近年では人手不足が叫ばれており、採用難が原因で事業拡大ができないでいる企業には、ぜひおすすめしたい補助金です。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継や事業再編、経営統合などのタイミングで新しい取組を行う企業に対して支援する補助金で、800万円までの補助が受けられます。
特に注目したい申請枠は「専門家活用枠」で、これはなんらかのシナジーを得られそうな企業からM&Aなどを通じて経営資源を引き継ぐ場合に売り手または買い手に対して必要経費(委託費等)を補助するものです。
他社から経営資源を引き継ぎ、事業の幅を広げたい、更なる強みを得たい、といった企業にはおすすめの補助金となっています。
補助金に採択されるために
補助金獲得には制度に対する深い理解やそれぞれの手続きに対するノウハウも必要です。特に、補助金額が高いものには複雑な手続きがあるものもあり、自社だけで進めるのが困難なケースも多いです。
当社は長年にわたる補助金獲得支援の実績を持っており、これまでに蓄積してきたノウハウを生かし、補助金獲得に向け全面的にバックアップいたします。 初回のご相談は無料です。
今回ご紹介した補助金の活用を検討中の方はもちろん、将来的に補助金を活用して新たな事業を始めたいとお考えの方もお気軽にご相談ください。