まだ間に合う!第12回事業再構築補助金の申請方法と活用法
船井総研だからできる中堅企業の補助金申請サポート
現在、第12回公募が行われている「事業再構築補助金」。この補助金は、アフターコロナで中小企業が将来を見据えて新たな事業に挑戦し、再出発するために始まりました。
これまでの11回では、飲食店が製造業へ、タクシー業が運送業へ進出するなど、事業再構築に成功した企業もありました。
企業の挑戦を後押ししてきた「事業再構築補助金」ですが、コロナ収束(5類移行)後、目的にそぐわない申請も増えたため、第12回では公募要領や審査基準が大きく変更されています。
今回は、補助金を活用したい企業のために、公募要領の変更点や対策を解説します。
一時的流行による類似テーマの事業計画は通らない
事業再構築補助金は、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応し、新市場進出や事業転換を目的に開始されました。
しかし、類似ビジネスの申請が多数あったため、第12回公募以降は、一時的流行による類似テーマ・設備等の申請が集中している場合、別途審査が行われ、過剰投資と判断されると大幅減点されることが明記されています。
大幅減点はほぼ不採択とみなされるため、「流行っているから自社もやろう!」ではなく、既存事業の強みやノウハウを活かし、売上拡大につながる新規事業を構築することが重要です。
第12回事業再構築補助金の主な変更点
申請カテゴリーの簡素化
多くに細分化されていた補助金申請カテゴリーについて、第11回と比べて大きな変更があり、5枠が2枠に統合されました。
「成長枠」「産業構造転換枠」「グリーン成長枠」は「成長分野進出枠」へ変更。
コロナ後の影響で厳しい経営の事業者向け「物価高騰対策・回復再生応援枠」「最低賃金枠」は「コロナ回復加速化枠」に再編。
また、第10回で公募があり、第11回では対象外だった「サプライチェーン強靭化枠」は、従来の“国内回帰類型”に加え、“地域維持・強靭化類型”が創設されました。
事前着手制度の廃止
第11回公募まで一部の申請枠で認められていた「事前着手制度」は、原則廃止となります。
※経過措置として、第12回に限り、第10回・第11回で事前着手が可能だった事業類型で不採択となった事業者が、第12回公募でコロナ回復加速化枠またはサプライチェーン強靱化枠に申請する場合のみ、事前着手申請が認められます。
補助率等引上要件
「成長分野進出枠」では、短期で大規模な賃上げを行う「補助率等引上要件」に適合する場合、補助上限額が上がり、補助率も高くなります。第11回でも補助率が高くなる「補助率引上要件」がありましたが、第12回では補助上限額も500万~2,000万円引き上げられます。
※従業員数と申請類型により異なる
(例)従業員数101名以上の中小企業者等の場合
・成長分野進出枠(通常類型)
補助上限額:6,000万円 → 7,000万円
補助率:1/2 → 2/3
・成長分野進出枠(GX進出類型)
補助上限額:8,000万円 → 1億円
補助率:1/2 → 2/3
投資額に対する補助率や補助金額が増加し、初期投資のリスクを低減できます。
補助率等引上要件について
補助事業実施期間内に以下を達成すること
・給与支給総額を年平均6%以上引上
・事業場内最低賃金を年額45円以上引上
この補助金は賃上げを推奨しますが、人件費は補助対象ではありません。
申請前から賃上げを検討していた、
今回の補助金で雇用促進や離職防止を進めたい、
という場合には、補助率等引上要件に合致するので、ぜひ活用を。
一方、補助率引上げを目的にする活用は避けるべきです。
代理申請はNGだが、壁打ちは重要
最後にご紹介したいのが、「壁打ち」の重要性です。
事業再構築補助金は、事業の大幅な転換だけでなく、既存事業の進化・深化にも多く採択されています。(市場と製品の新規性は必要)
ただ、経営者からは大きな転換に見えても、第三者からはビジネスモデルがあまり変わっておらず、新しさが感じられない場合もあることを認識すべきです。
では、採択される事業企画とそうでない企画の差はどこにあるのでしょうか。
その際に必要なのが、客観的な第三者=補助金のプロに相談し、事業計画をブラッシュアップすることです
事業に合った表現を使いながら、採択に必要な「キーワード」「ロジック」「パターン」、そして「補助金後の成長戦略のシナリオ」を描き、計画に落とし込むことが重要です。