業種制限のない大型補助金を活用すべし
業種制限のない新たな補助金制度
補助金制度は、対象事業のわかりづらさや制度の〆切の短さ、あるいは特殊な補助金説明の書き方など、理解を進めるだけでもなかなかに煩わしさがあるのではないでしょうか。
そんな中でも一番の課題が、補助金が自社の目的と合致しているか。たとえ補助金の申請が通ったとしても、使用意図が異なる使い方をすれば採択後に権利を失う可能性もあります。その点には注意が必要です。
今回ご紹介する補助金は、4月末に1次公募が終了し、2次公募が6月下旬開始を予定している「中堅・中小企業の賃上げに向けた省⼒化等の⼤規模成⻑投資補助⾦(中堅・中小成長投資補助金)」です。
本補助金の特筆ポイント
補助上限額は50億円。最大150億円の投資を対象に、その1/3を補助してもらえる制度になります。後述する条件がありますが、過去の類似補助金と比較すると申請に必要となる要件も緩和されている印象を受けます。
まず補助金条件としてあげられるのが常時勤務している従業員が2,000名以下ということ。すなわち中堅中小企業が対象となっています。いままで資本金や従業員数で中小企業の定義から外れ、申請対象外となる場合もありましたが、今回は申請が可能です。
今回は上場企業であったとしてもみなし大企業でなく、かつ2,000名以下であれば申請が可能となります。
また、今回の補助金は製造業に限らず、宿泊業や飲食業であったとしても対象となります。すなわち、全業種向けと考えても問題ないでしょう。
対象はこんな企業
本補助金は、政府の思惑と利用したい企業の思惑が合致することが必要です。例えば対象となるのはこういった企業です。
【例】
この補助金を活用し、抜本的な省力化のための投資を行うことで、人手不足を解消し、既存従業員の賃上げも実現できる。そしてより意欲のある人材が定着することでより付加価値の高いサービス提供が可能となるのではないか。
地方企業のアルバイトであったとしても20年後には時給2,000円、あるいは2,500円の世界観になるという予測すら存在します。
たとえば長野県。最低時給変動がなかった2002年では646円でした。しかし2023年は948円。約20年で45%上昇です。しかも、年2.2%で増えているのではありません。
2012年は700円ですから、10年間上昇率は35%。年3.5%で増加しているのです。上昇率も増えていることやインフレから逆算すれ4%推移となれば20年後は時給2,000円は嘘ではないでしょう。(都心部であれば1.5倍の人件費となりますから時給3,000円代はザラになるのかもしれません)
そういった状況を見越し、省力化のための大規模な投資を行い、生産性を高めることで、売上を拡大していくとともに従業員の賃上げを行うことがこの補助金の目的なっています。
企業成長と今後の補助金のために
人手不足の課題は多くの企業が実感していることかと思います。
昨年時点での帝国データバンクでは約企業の半数が人手不足を感じていると答えています。今年はそれ以上に課題感を感じているのではないでしょうか。
また、その解決策というのも本アンケートによると「給与アップ」「定年まで勤めあげられる環境づくり」「シニアの再雇用」などが挙げられ、どれも中長期的な好影響は期待できるが特効薬になり得ない印象を受けます。
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