補助金活用の第一歩「省力化投資補助金(カタログ型)」を徹底解説
「省力化投資補助金」や「カタログ型の省力化補助金」という言葉を、経営者であれば最近耳にしたことではないでしょうか。中堅企業や中小企業にとって価値のある補助金でありながら、補助金で得られるメリットについては認知度が低いのではないでしょうか。本補助金についての情報を徹底的に解説いたします。
来る人手不足の時代への投資
都心・地方分け隔てなくやってきている人手不足の課題と人材獲得競争。時給をアップしてもいままでのように求人応募がやってこない。とくに若手のガッツや体力のある人材は少子高齢化により、どんどん減少していきます。
経産省が実施する本補助金は、「人の手を介さない」「人の手を減らす」ことで、この人手不足の時代に事業を効率的に実現するための施策として実施されます。
たとえば直近では市民権を得たファミリーレストランにある「配膳ロボット」や「オーダー用タブレット」。この2つを配置することで、配膳やオーダー確認のアルバイトを1名から2名減らすことができます。一時的な投資額としては大きいモノの、ロボットやタブレットであれば業務にストレスを抱えたり、風邪で欠勤することもありません。減価償却後は、固定費は電気代だけで済みますから人件費の削減にもつながるでしょう。
他に、オフィス用室内の清掃用ロボット。清掃業者は深夜帯に稼働する場合が多く外部委託していると、委託費が高止まりしがちです。ロボットであれば深夜の決まった時間に自動的に清掃してくれますし、情報流出リスクも抑えることが可能です。
(注意)実際の使用可能ロボットについては別途公開予定。上記動画は業務用ロボット掃除機のイメージです。
この人手不足の状況は、少なくとも向こう10年、あるいは20年は解消されることはないでしょう。少子化が解消される見込みは薄く、別の労働力が確保も難しい中、省力化のための補助金が2024年続々と新設されています。今回ご紹介する補助金もその施策の一つとなります。
中小企業省力化投資補助金で得られる効果とは
現場レベルの業務や、人材確保難といっても各社グラデーションのように様々課題はあるかと思います。ですが、基本的に本補助金で得られる効果というのは「人を介さず業務が可能になる」ものや「面倒な作業・単純作業などを支援」するといったものです。
・スチームコンベクションオーブン
・無人配膳機
・倉庫内仕分けロボット
・検品システム
・自動チェックイン
などロボット活用できる幅は意外にも広いです。
現時点で補助金を利用するか判断が半々の人であったとしても、一度カタログをチェックしてみることをオススメします。
カタログリンク⇒https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_catalog.pdf
重要なのが補助率です。基本的に補助金というのは投資したお金の半分、あるいは3分の1が補助されるものが多いです。今回の補助金の場合は、投資額の1/2(上限金額まで)が補助されます。
多機能や万能なロボットというものはなく、基本的にはお仕事のワンプロセスを自動化するものが多い印象です。人の手を介さない分、時間を選ばず生産量も左右されない点が特徴として言えるでしょう。
補助上限額も従業員数により異なります。
・従業員数5名以下:200万円
・従業員数6~20名:500万円
・従業員数21名以上:1000万円
合わせて賃上げ要件を達成すると、上記上限額が1.5倍となります。
(たとえば従業員数6名の場合500万円⇒750万円)
省力化投資補助金が多くの企業に活用されると見込まれる理由
補助金は、申請したものが必ず通るというものではありません。
・要件と合致しているのか
・申請内容が問題ないか
・過去に補助金で不正などを行っていないか
・補助金を受給するに値する事業か
などの審査基準が存在します。
特に、補助金は要件との合致が大事で、補助するからには政府や自治体は「使った成果として、高い成果を求めたい」と考えています。
今回の省力化投資補助金は、政府が精査してその要件にあった製品が登録されています。
その中から製品を選択して、販売事業者として登録を受けた事業者とともに申請を行います。
IT導入補助金を申請したことのある人であれば、イメージとして似た補助金になるのではないでしょうか。
補助金活用の目的が、
・今課題となっている人材不足を補う(確保したいニーズ)投資かどうか
という点を確認することが必要です。
自社の人手不足解消に効果があるか否かを判断し導入を決めるのが良いでしょう。
補助金で得られたチャンスを何に使うか
経営者に進言したいのは、この補助金で削減できた工数分を、人が必要な部分に人材を異動したり、人件費への投資を行ったりすることが重要だと思います。
とくにロボットやAIが発展しても、熟練の技能や経営判断といった部分、人が前に出て行わなければいけない業務というのは無くならないはずです。これだけ人件費が高騰するなかで、離職された場合の再投資や再雇用コストを考えれば賃上げをして会社に人を引き留めることは大切です。
省力化をしつつも、人を大切にする。そうした補助金の使い方も大事ですので、ぜひ補助金申請を含めて検討してみてはいかがでしょうか?