補助金に税金はかかる?それとも非課税?

日本の税制度は海外などと比較すると、わかりにくい箇所や判断が割れる部分があります。

補助金については国や自治体などから支援されるため、課税対象となれば、結局のところ(国全体で見れば)無駄なお金の循環にしかなりえないという意見もあります。

その一方でお金の流れを判断するのであれば税金を納めるのが適正とも考えられるでしょう。

今回はそんな補助金に関する税処理等について解説します。

そもそも補助金とは

国や自治体が企業、あるいは個人事業主を支援するために支払われるものです。

たとえば、国がよりデジタルを活用した施策を行いたいと考えればDXを導入するための補助を行います。
景気が鈍化するようであれば、より景気の熱を高めるためにお金を充当するといったものです。近年では事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金などが有名でしょう。

一般的な銀行融資などと異なり、受給した補助金は返済する必要はありません。

ただ、当たり前ですが補助金がしっかりと目的に沿った使われ方をしなければ返済が求められますし、1000万円使ったお金を1000万円分補助するものではなく、基本的には2分の1や3分の2など、補助率が設定されています。

補助金に税金がかからないと言われる理由

さて、結論に至る前に補助金に税金がかからないと一部のYOUTUBEやSNS上で書かれてしまっている理由についてご紹介します。理由は下記2点です。

①国がくれたお金だから非課税

ひとつ例を出してみましょう。

たけしくんはお母さんから小遣いを500円もらいました。しかし、たけしくんはテストの点数が悪かったため、罰金として400円を回収されました。たけしくんは、こう思いました。「100円にしかならなかった。あとで僕から取るのならば小遣いを100円だけくれてもいいじゃないか!」

教育的観点は横に置き、これに近しい考え方を持つ方は一定数います。お金の補助元と、税金の納税元は広義でいえば「国」あるいは「自治体」が対象となります。だからこそ、たけしくんのように、「くれたお金から、お金を取るのならば最初から渡す量を減らせばいい。そうでないのであれば全額貰ったお金」と考えるのが正しいといった理論です。

この答えについては後述致します。

②非課税の補助金が存在する

①以上に混乱を生んでしまっているのは、結論から先に述べますが、補助金の中には非課税のものも存在します。

たとえば、「被災者生活再建支援金」。
これは、国税庁の指針として発表されており、災害により受領する災害義援金等は納税対象にならないとされています。心身又は資産に加えられた損害について支払を受ける義援金や見舞金で、その受贈者の社会的地位、贈与者との関係などに照らし社会通念上相当と認められるものは基本的に税の範囲内にならないと理解しておくと良いでしょう。

これに近しい企業の非課税となったのは、「新型コロナ感染症対応休業支援金」もまた非課税です。こちらもまた災害に近しいことと、国全体としての緊急で施策実施したため基本的には補助金を利用して企業が儲けられるということがないから非課税となりました。ただし、不正に受給していた企業についてはこの支援金制度の対象外とされたため、課税ではないですが補助金返還とペナルティとしての罰金が求められています。

こういった補助金が非課税か、あるいは課税かはその補助金対象のページ、税理士、国税などから情報を取得することができます。闇雲に非課税として申請すると、追徴課税を求められることがあるため注意が必要です。

補助金が課税対象になる理由

先ほど①にてお母さんとたけしくんのお小遣いとして紹介した話を思い出してください。

非課税か課税か、あの文章だけをみれば、100円だけ渡せば良い話と思われるでしょう。たしかに広くみれば、たけしくんの家庭内でしかお金は循環されておらず、お母さんの渡した500円のうち400円は財布の中に戻ってきています。

しかし、補助金に対しては、そもそも国の施策を実行してもらうという役割があり、税金にはその実行や富の再分配という考え方があります。ばらまかれて誰でももらえるお金ではなく、補助金に対してもその再分配を行うための原資であると考えるのが妥当です。そもそもの出元としては国や自治体が納税したお金が補助金のベースにあると考えてしかるべきです。貰い元と払い元が同一だからこそ、誤解が生まれてしまっていると理解しておくべきでしょう。

また、補助金を活用したことにより、売上において積みあがっている部分があります。会計帳簿上、突然降ってわいたお金(資本金の増額)ではなく、あくまで一度会社としての財布に入ることで、税金の対象となるといえばなんとなくイメージがわくのではないでしょうか。

1点だけ誤解がないように伝えるのであれば、利益が出ている企業が納税対象であるという考え方があります。

1000万円の補助金を得たとしても1億円の赤字であれば、たとえ純資産が黒であっても、通期でみると赤字にしかなりません。そこから納税は必要なく、売上対象に対して法人税がかかってくるため、補助金は結果的に非課税であるように見えるというだけです。

知っておくべき補助金と税金の考え方

赤字企業においては非課税であると述べましたが、そもそも補助金のスタンスとしては儲かっていない企業や万年赤字体質の企業に対して受給されやすいものではありません。

1億円を超える規模感の補助金を見ると「補助することによって、売り上げを上げて将来的に納税をしてもらう」「業界にあらたな良い風を起こし、関連企業にとっても幸福な経営状況とする」といった考え方があります。そのため、補助金をどのようにして使うかだけでなく、補助金を使った結果黒字となり、会社の成長が実現できることが重要視されます。

特に高額な補助金の場合は、国や自治体に対してその理由をしっかりと説明できているか否かが問われ補助金の審査の可否や評点にも影響を与えます。では、そういった補助金取得が自社ですべてできるかというと、どうでしょうか。できるのであれば問題ないと思いますが、補助金申請のための書類作成にも多大な工数が生じます。
人手不足が課題となっている中小企業では中々難しい部分もあるのではないでしょうか。

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