2024年ものづくり補助金は、こう変わる!

新たな技術革新やシステム開発等で活用されている「ものづくり補助金(正式名称「ものづくり・商業・サービス補助金」)」ですが、2024年のリーフレットが2023年12月1日に中小企業庁にて公開されました。

変更点が色々とありますので、本コラムにまとめたいと思います。

「ものづくり補助金」リーフレット(中小企業庁)

(中小企業庁HP:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r4/r4_mono.pdf?1201

ものづくり補助金2024年の変更点

申請枠・補助上限額

2023年は「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」で公募が実施されていました。

2024年は下記の通り、「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値枠」「グローバル枠」と大幅に変更されます。

また、補助上限額も今までは最大4,000万円だったのが、8,000万円(大幅賃上げ特例時1億円)となりました。省力化のための投資を検討しているのであれば、活用を検討することをお勧めします。

省力化(オーダーメイド)枠

・省力化(生産プロセス改善)のための投資
・補助上限額:750万円~8,000万円(大幅賃上げ特例適用時:1,000万円~1億円)
・補助率:1/2 
  ※小規模・再生事業者2/3
  ※1,500万円までは1/2、1,500万円を超える部分は1/3

活用イメージ

熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。

製品・サービス高付加価値枠

・製品、サービスの開発のための投資
<通常類型>
・製品、サービスの高付加価値化
・補助上限額:750万円~1,250万円(大幅賃上げ特例適用時:850万円~2,250万円)
・補助率:1/2 
  ※小規模・再生事業者2/3
  ※新型コロナ回復加速化特例2/3

<成長分野進出類型(DX/GX)>
・DXやGXに資するもの
・補助上限額:1,000万円~2,500万円(大幅賃上げ特例適用時:1,100万円~3,500万円)
・補助率:2/3

活用イメージ

<通常枠>
最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発

<成長分野進出類型>
AIやセンサー等を活用した高精度な自律走行搬送ロボットの試作機を開発

グローバル枠

・海外事業の拡大、強化に資するもの
・海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助対象経費に含まれる
・補助上限額:3,000万円(大幅賃上げ特例適用時:4,000万円)
・補助率:1/2
  ※小規模事業者2/3

公募回数が2回程度に変更

通年で継続的に公募が行われてきたものづくり補助金ですが、2024年に関しては、「公募は2回程度実施予定。」という記載になりました。
ですから、今までよりも公募回数が減少します。

公募時期に関しても、今までは申請締め切り日以降すぐに次期公募が開始されていましたが、今後はいつ公募が開始されるのか未定になります。

そのため、いつでも申請に動けるように計画を立てておく必要があります。

補助事業実施期間が短縮

補助事業の実績報告締切日が「2024年12月10日まで」と明記されました。

公募の日程次第ではありますが、実際に発注できるのは通常交付決定日以降のため、実質的な実施期間が約8か月や、5か月程度となる可能性もあります。

ものづくり補助金は設備を設置して完了ではなく、開発期間が必要です。これまでは、「採択日から1年間」というケースがほとんどでしたので、大幅な期間の短縮となります。

まとめ

2024年のものづくり補助金は上記のように大きな変更点があります。

省力化のための設備投資や、製品・サービス高付加価値化やDX,GX、海外事業の拡大を行う予定があれば、補助事業の実績報告が2024年12月10日であるということを念頭に、発注・納品等のスケジュールを組んでいただく必要があるでしょう。

ものづくり補助金について、過去の採択傾向や今回の変更点、対応すべき事項などをレポートにまとめています。
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